③大原エリア 千年の祈り息づく里山


■天台宗 魚山 実光院 〜ひっそりと佇む名庭〜

 

実光院は魚山大原寺勝林院を本堂とする僧坊の一寺院で、応永年間(1394-1428)に宗信法印によって復興されました。かつて当院の他に、普賢院・理覚院・そして勝林院西隣りの宝泉院など多くの僧坊がありました。

実光院はもと、現在地の向かい側、大原陵(後鳥羽天皇陵・順徳天皇陵)の地にありました。明治以降、普賢院や理覚院は無住となり、大正8年(1919)に統合され旧普賢院の寺地に移転し現在に至っています。この移転については、(三千院)の第20世、(後鳥羽天皇第10王子)の御心により、旧実光院の後園に両帝のご遺骨を分骨し安置されていたが、本陵として整備する為に旧宮内省の命により移転されたのです。

客殿は大正10年(1920)に建てられ、欄間に配置されている「三十六歌仙」画像は、江戸中期に狩野派の絵師によって描かれたものです。

客殿南側に広がる庭園(現存する旧普賢院の庭園)は江戸時代後期の作庭で、より水を引く心字の池を中心とした池泉観賞式の「契心園」です。築山の松は鶴を、池の島は亀を表現しています。

また、客殿の西側に広がる回遊式庭園は旧理覚院の寺地で、実光院と統合の後荒廃していたものを、歴代の住職が作庭整備し今日に至っています。茶室「理覚庵」は寺領山林より調達され昭和50年(1975)に建てられました。庭園中央にある「」は、初秋より翌年春にかけて花を咲かせる珍しい品種で、錦秋の季節には、桜の花と紅葉が同時に楽しめます。

 

庭園を彩る四季の花々

=実光院の庭園は、四季折々に花を咲かせる「山野草」が植えられ、それぞれを愛でる参拝者の心を潤している=

 

住所 左京区大原勝林院町187
電話番号 075-744-2537
開門時間 9時〜16時30分(12〜2月は16時)
料金 大人・中高校生;700円(抹茶菓子付き)、小学生;300円
駐車場 なし
アクセス 京都バス「大原」から徒歩10分
ホームページ http://www.jikkoin.com/
Facebookページ https://www.facebook.com/jikkoin/
Twitterアカウント https://twitter.com/jikko_in/